ニンテンドーのゲームボーイやスーパーファミコン、SONYのプレステ、SEGAのセガサターン・・・と平成時代を象徴するブームになった家庭用ゲーム機を紹介してきました。
あと一つあります。
バトル系でもロールプレイング系でもなく、ポケットに入る小さなヤツ。
で、女子に大人気!
そう。「たまごっち」です。
たまごっちは1996年11月23日に登場。
女子高生の間で流行りました。
コンセプトがまた個性的です。
なんと「デジタル携帯ペット」です。
高さ53ミリの卵型ボディ。
ネーミングが卵+ウォッチだけに時計機能もありました。
中央の液晶画面に最初にべびっちやいもっちなどの地球外生命体の幼生が現れる。
現れた生命体に餌をやったり、糞の掃除をしたり、遊んだりしながら、育てていくのです。
構わなかったり、餌をあげなかったり、糞の掃除を怠ると機嫌を悪くしたり、途中で死んじゃったりします。
無事に育つと途中で何度か変身します。
丁度幼虫がサナギ、成虫と変化するみたいに。
初代たまごっちは当初ターゲットにしていた女子高生以外にも売れて1997年に社会を揺るがす大ブームになりました。
大人にまで売れた理由は一説によるとドラマ「踊る大捜査線」でいかりや長介演じる和久 平八郎刑事がたまごっちを育てていたからと囁かれています。
ホントかな?
あとは飛行機のキャビンアテンダントがやっていたという話もあります。
ともあれ、大人がやるようになった結果、デパートや玩具店に長蛇の列が出来たり、バンダイに直接買いに来る人が現れたり、公式サイトに一日一万件以上ものアクセスがあったりした。
この空前の大ブームにバンダイは大増産をします。
たまごっちは海外で二千万個、国内でも二千万個売れました。
しかし、ブームは1998年に収束。
ブームが去ったあとのバンダイには不良在庫の山。
処分の結果、最終的には45億円の赤字となりました。
メガヒットにもかかわらず、社内では失敗作と言われる始末。
バンダイではキャラクターの見直しやターゲットを小学生女児に変更するなど仕切り直しをしました。
2004年に第二シリーズとして「帰ってきた!たまごっちプラス」として発売。
第二シリーズは赤外線通信機能付きでした。
この赤外線通信機能を利用して、店舗でアイテムやミニゲームをダウンロード出来るようにしていました。
今度は狙い通り小学生にウケて、2007年までの三年間で三千万個以上売れ、第二シリーズのブームは収束。
店舗単位での売れ残りはあっても、大量不良在庫には至りませんでした。
2008年の第三シリーズでは液晶がカラー化し、よりキャラクターを複雑に表現できるようにしてあります。
この第三シリーズはカラー期とも呼ばれ、令和に入ってからも売っています。
一時的なブームを巻き起こした一発屋になると思いきや、四半世紀にも及ぶロングセラーとなりました。