②通信機器移り変わり
通信機器は昭和時代はほぼ固定電話でした。1969年に今と同じプッシュ式ダイヤルが登場。じわじわと普及してくるのですが、それ以前の古い電話機は固定電話のダイヤル式でした。
家庭やオフィスで使う黒電話と、青電話、黄色電話、赤電話、ピンク電話などの公衆電話がありました。
不倫女性が相手の男性に電話をしようとして躊躇う。
ダイヤル回して手を止めるなんて描写は平成生まれの人には何が何だかさっぱりわからないでしょうねぇ。
もし、ダイヤル式の電話で稼働しているヤツを見つけたら?
試しにかけてみたくありませんか?
では、例としてお手元の腕時計の時間合わせをするために117の時報に電話してみましょう。
まず、受話器を取って、ツーっていう音がしているか確認。これは今の固定電話と同じです。ただし、受話器が何だか重いですけど。
次にかけたい番号の数字、ここでは1に指を突っ込みます。
それだけじゃダイヤルしたことになりません。ここがボタン式電話と違うところ。
指を突っ込んだまま、右回りに数字の0のとこにある指留めまで、ダイヤルをジコジコ回してください。
指留めのところで指を離すとルルルルル…と小さな音を立ててダイヤルが戻ります。
この時電話回線にパルス波が流れます。
そのパルス波の数で電話交換機は自動的に番号を判断して電話を繋ぎます。
はい、続けて、1、7とダイヤルを同じように回してみましょう。
1、1、7と正しくダイヤルされたら、受話器から「只今から、午前7時丁度をお知らせします。ピッ、ピッ、ピッ、ポーン!」などと時報の音声が聞こえる筈です。
昔、ラジオのリクエスト番組はメールなんてないから、だいたいハガキか電話のリクエスト。
このダイヤル式電話ってダイヤルが戻らないと次の数字を回せないから、かかるまで時間がかかるのです。
しかも電話リクエストは回線が混んでいてなかなかつながりません。
イライラしましたねぇ。
それと、携帯電話の普及していない時代は、彼女に電話するとお父さんが出てきていきなり怒鳴られたり……なんて悲劇もありました。
あと、固定電話だけだと、デートの約束するでしょ?
時間や場所を間違えたら、悲劇ですよ。
確認の取りようがなくて、一時間とか二時間とか待つ。
それで行き違いで会えないまま、交際終了なんてことはよくありました。
LINEでデートの約束をする世代から見たらあり得ない話でしょ?
いろいろ大変だった昭和のダイヤル式電話時代。
固定電話に変化をもたらしたのプッシュ式電話だけでなく、ポケベルも、でした。
ポケベルのは1968年に東京23区でのサービスとしてスタート。
電話のベルだけがモバイル式なったようなヤツでした。
固定電話からポケベル番号に電話をするとベルだけが鳴る。
ベルを聞いたら、近くの公衆電話からベルを鳴らしたところに電話をするというシステム。
かつてはセールスマンがよく持たされていました。
私もしがない印刷屋のセールスマンをしていたとき持たされてました。
急ぎの注文やクレーム処理の電話を会社が取って、知らせるためのものでした。
確かにクレーム対応には良かった面もありましたが、電話を取る事務の人が全然気の利かない人だとアタマの痛いことになりました。
夕方にでも電話をくださいなんていう取引先の全然急いでないアポイント電話でいちいちポケベルを鳴らすのです。
商談中も。
しかもそういうときに限って、近くに公衆電話がない。
駅までやっと戻って、公衆電話を見つけて電話をする。
「連絡が遅い」ってキレられます。
一番イラっときたのはトイレをやっとの思いで見つけだし、大きい方の用を足しているときに限ってポケベルを鳴らされるのです。
それでウ○コぐらい自由にさせろって喧嘩しましたなぁ。
とにかく、ポケベルにはいい思い出なんてありゃしません。
その頃のポケベルはミンティアのケースを厚くしたような箱がピーピー勢いよく鳴るだけでした。
文字放送みたいなのは付いていません。それが1987年からプッシュ信号で数桁の数字を送れるようにバージョンアップしました。
そこで目をつけてきたのはなんとJK。
女子高生です。
数字が送れるってんで妙な符牒数字を編み出して、それで連絡を取り合うようになりました。
例えばこんな感じです。
「0840(おはよう)」「8181(バイバイ)」「3470(さよなら)」「889」はやく )」「0906(遅れる)」「194(行くよ)」「4649(よろしく)」「8181(バイバイ)」「09106(起きてる)」「02106(待ってる)」「39(サンキュー)」